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​会長挨拶

全国特別支援教育養護教諭キャリアアップ研究会の発展・充実を願って

    会長 大沼 久美子(女子栄養大学)

■はじめに

 私は、全国特別支援学校養護教諭キャリアアップ研究会の会長を仰せつかりました女子栄養大学 大沼久美子です。養護教諭は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等のすべての学校に養護教諭の免許のみで配置される教育職員です。養護教諭の原点、そして「基礎・基本」は変わりません。ただし、学校種別に応じて養護教諭がどのように職務を遂行するか、その方法やアプローチの仕方が異なることがあります。特別支援学校の養護教諭であれば、障害種別や発達段階、学校規模等、特別支援学校の特性を生かして養護教諭の専門性を発揮することが求められるでしょう。これを発展・充実することは、すべての子供たちの学びを保障することにつながります。

■研究会発足と経過

 本研究会の発足は平成17年筑波大学の公開講座において特別支援学校の養護教諭対象に開催された研修会(代表飯野順子氏)です。飯野先生は養護教諭が中心になって様々な活動を展開すべきという考えのもと更なる力量アップを願って研修会を企画されました。その後、北川先生、三木先生が研究会の会長を引き継がれ、毎年一回の研修会を開催しています。 

 研修会の主な内容は、

○養護教諭の基本的事項及び近年の動向

○特別支援学校及び特別支援教育の動向

○子どもの発育発達及び障がいに関する事項

○視覚、聴覚、言語障害に関わる対応の在り方

○特別支援学校における精神疾患の理解

○特別支援学校における医療的ケア

○性教育、歯科保健などの保健指導

⚪︎救急処置や緊急対応、校内研修のあり方等々です。

 研修を通じて知識及び対応技術の向上を図るために「講義」「演習」を取り入れたり、全国どこからでも気軽に研修会に参加できるようオンライン開催をしたりしています。なお、研究会発足からの経過は別記の表の通りです。

 

■「キャリアアップ」

 本研究会の名称にある「キャリアアップ」とは、それぞれのキャリアステージにおいて

・「養護教諭」の職の特質を念頭に

・特別支援学校の養護教諭としてその専門性を追求し

・時代の変化に柔軟に対応しながら

・最新の知識・技術を身につける

ことと捉えています。

 すなわち、これまで各キャリアステージで習得してきた専門的な知識・技術などをブラッシュアップし、児童生徒がよりよく生き抜くために必要な養護教諭の力量を積み重ねることです。特別支援学校の養護教諭の研究会にふさわしい名前であると思います。

 

■研究会の今後の充実と発展を願って

 中央教育審議会答申(平成21年)では、「養護教諭は学校保健活動の推進にあたって中核的な役割を果たしている」と指摘しています。特別支援学校においても健康に関わる活動の中核は「養護教諭」です。中央教育審議会答申(令和3年)「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~では、「新時代の特別支援教育の在り方」において、①障害のある子供の学びの場の整備・連携強化、②特別支援教育を担う教師の専門性向上、③関係機関との連携強化による切れ目のない支援の充実、が示されています。

 多くの特別支援学校の養護教諭は2名配置ですが、対応の限界を感じることもあり、本研究会で得た最新の情報等はとても有意義であるという声をいただきます。今後も、夏季研修会やHPを活用し、本研究会が全国の特別支援学校の養護教諭のプラットフォームとして、深く広くつながっていくことを目指していきます。

 皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。

                               令和5年8月1日

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